きょばノートッ?

出生地日本、朝鮮籍生まれの在日韓国人。祖国よりもおっぱいが好き。最近はnoteでも真面目な煽り記事を書いています。https://note.mu/kyonghagi

日韓結婚アレコレ(2) 名字をどうしようか悩んだ話

こんにちわ。そんきょばです。
在日韓国人男性が日本人女性と結婚した話、第2段。
今回は「名字をどうしようか」考えた話です( ´ ▽ ` )ノ

※第1段の「国籍の違いについて親族の反応を気にしたって話」はコチラ
http://kyonghagi.hatenablog.com/entry/2014/05/06/140544

 

(1)国際結婚すると、名字はどうなるの?

彼女は、結婚してしばらくの間、職場でよく質問されたそうです。

「あれ?名字はどうなるの?」

 

  答えは、「変わりません」

在日韓国人の私と日本人の彼女の結婚は「国際結婚」にあたり、姓は自然と「夫婦別姓」になります。

別途申請すれば、名字を揃える事も可能でしたが、私たち二人は、別姓のままいる事を選ぶ事にしました。

いや、選んだのは私たち二人ではなく、私一人かもしれません。
彼女は、「名字を変えるのも構わないから、君の好きにしていいよ」と言ってくれていました。

悩んだのは、私の方でした。


国際結婚における名字の取り扱いは、ざっくり、次のようなものです。

①夫婦は別姓
②子供は、日本籍を持つ親の姓になる
③夫婦同姓にしたい場合、入籍から数ヶ月以内に、別途申請が必要
(期限を過ぎても申請可能だが、受理までの手間が増える)


ここで地味に気になったのが、②でした。
私達の場合、子供は彼女の姓になります。

私は両親からすれば唯一の息子で、名字を継げるのは自分しかいないという立場でしたので、「たった一人の長男として、家の名字を残していくべきなのではないか。」と、両親の反応を気にして考えたりもしました。

でも結局「別姓」のままを選択したのは、名字を残すべきかと考える一方で、(こう書くと両親は眉をしかめるかもしれませんが・・・)「この名字を(わざわざ手間をかけてまで)子供に残したいのか」という気持ちがあったからです。

 

(2)夫婦別姓を選んだ理由

 

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自分の名字の事は好きです。
朝鮮半島でも比較的珍しい名字だとか、辿れば中国の王族の血筋だとか何とか、
そういうどうでもいいエピソードまで含めて、私は自分の名字を気に入っています。
でもこの国にいると、名前にまつわる、面倒臭い事が多過ぎました。


私は在日韓国人に生まれて、いわゆる「通名」を持たず、本名で暮らしてきました。
朝鮮語で読んでも、日本語で読んでも、ここ日本では「明らかに外国人」と聞き取れる名前です。

そのおかげで結構、面倒な思いもしてきました。
細かいものも含め、パッと思い浮かぶ例を挙げるなら、

  1. 名乗っても名前が相手に伝わらない(馴染みの無い名字なので)
  2. 会った人全員に出自の説明を求められる
  3. からかいの対象にされる
  4. 出自を明かした途端に突然、攻撃対象と見なされる

他にも挙げられるでしょうが、こんなところでしょうか。

たぶん、この手の面倒臭さは、経験者にしか伝わりにくいものだと思います。

珍しい名字の人にはわかってもらえると思うけど、
①ぐらいの細かい話でも、地味にめんどくさいしストレス溜まる。笑
②も面倒くさく、相手のリアクションをいちいち気にしてしまうし、
③はストレスそのもの。④は論外です。(でも③④はとても多い。)


その面倒臭さを、子供に受け継ぎたいか。答えはNOでした。
それに結局は、「あるがままにあれ」と思っているので、
余計な手間をかけずにいれば別姓になるのなら、その制度に従おうと思ったのです。


世の中(と言うか、Twitter)では、「夫婦別姓(選択制)」関連の議論を頻繁に見かけます。

私は別姓も選択できるようにするべきだと思っているのですが(だって、"選択肢が増えて困る"人って、一体誰ですか。)、ある意味では他人事だとも思っていました。

日本人女性との結婚を決めていた自分にとっては、自分たちが別姓になる事は決まっている未来だったからです。

でも、そう単純ではありませんでした。
在日韓国人+日本人って組み合わせはもっと余計な事まで考えさせられる事になるんだなぁと、実際にやってみて、勉強になりました。


でも、こんな事で悩まなければならない自体、正当ではない話だとも思います。
通名を使った事はありませんが、通名が「必要」な社会である事を改めて認識する機会となりました。


私の名前も二通りの読み方(朝鮮語読みor日本語読み)を持っていますが、名前を二つ持っているなんて、面倒でしかありません。(通名ならなおさら面倒だと思います)
通名が不要な社会であれば、誰も使わずに済むと思うのですが、
実際そうなるには、残まだまだ時間がかかりそうですね。


※人によっては、この話を「差別に屈した」とか、そういう風に受け取る人もいるかもしれません。もしもそう言われたら私は、うっせーよ、と答えます。
子供のアイデンティティを考える上で、なかなか重要な選択ですから、それこそ差別にも、「○○人なら××すべき」みたいな押し付けにも、屈する理由はありません。
私は在日朝鮮人(後に国籍を変えて在日韓国人)の家庭に生まれ、在日朝鮮人(もしくは在日韓国人)としてのアイデンティティを築いていますが、生まれてくる子供はそうではありません。
子供は、ありのまま、「在日韓国人と日本人のハーフ」として育つでしょうし、それはもはや自分の経験では語れない領域です。そこに名前を押し付けて、世界を狭めたくない。
私は、生まれてくる(かもしれない)子供には何より、自由であって欲しいと願っています。

 

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